陸王120万円也

いきなりですが、税金を滞納すると財産を差し押さえられてしまいます。そんな目には遭いたくないんですが、遭ってしまう人もいる訳で、そうすると、国や地方自治体としてはそれを売って、お金に換えないといけない訳です。そんな話は当たり前なんでしょうが、最近ではその「公売」をインターネット上で行うようになり、さらにバイクが公売にかけられることも珍しくはないらしい。

そして、ついに、ある意味究極の公売といえる案件がありました。札幌市が実施したインターネット公売でバイクの「陸王」が登場し、約120万円で落札されたそうです。出典はこちら。あと、この案件については、ヤフオクの官公庁オークションのページも(少なくとも現時点では)あります。

「陸王」と聞いてピンと来る人は、バイク乗りの中でもあまりいないかもしれませんね。俺は昔、日本のバイクの歴史みたいな内容の本(すみません、今、手元にないのでタイトルは覚えていまへん)を読んだので知っていました。陸王については、例えばウィキペディアのこちらに説明があります。一言で言うと、「戦前に生まれた国産ハーレー」ってことでしょうか。(余談ですが、これを見て改めて思い出したんですが、製薬メーカーの三共は、バイクを作っていたことがあるんですよね)ちなみに、こちらとかこちらは、(ちゃんと調べてはいませんが)たぶん無関係じゃないかと思います(創業者がファンだった?)。それとも、何か関係あるんでしょうか。

その陸王が公売に出されたってのがニュースなのですが、120万円も出せば、本家のハーレーの現機種でも新車を買える車種はあるんじゃないかと思います(無理でしょうか?)。しか
も、公売に出された陸王は、94年以降エンジンを動かしていないそうなので、本当にエンジンが動くのかどうかはわからない代物。「それなのになぜ」と思う
人は、バイク乗りでも多いんじゃないだろうか。それが大多数の人にとって素朴な感想だとは思いますが、(自分で競り落とすことは、ないとは思いますが)
120万円出して陸王を競り落とした人の気持ちも、まあ分からないでもないですよね。

前にも書いたとおり、個人的にはハーレーをはじめとするアメリカンバイクには特に思い入れはありません(少なくとも今は)。
ただ、陸王は(乗りたいとは思わないものの)ちょっと興味あるんですよね。それは何かというと、やはりネーミングじゃないでしょうか。「陸王」ですよ、
り、く、お、う。いいなあ、と思いませんか?

ちなみに、ちょっと前に松下電器が「画王」というテレビを発売していたり、日清食品からは「ラ王」とか「Spa王」という製品を(こっちは今でも)発売していますが、「なんとか王」というネーミングの製品の始まりは、きっと陸王だったに違いないと、(調べていません、というか、調べようがないのですが)勝手に思うわけです。

こういう名前を考えた人ってすごいなあと思わざるを得ないんですね。このバイクが作られた当時でも、おそらくこれより馬力のある四輪車や、ひょっとしたら
バイクもあったかもしれない。パワーでは「陸の王様」ではなかったかもしれないですが、パワーがあるかどうかと、バイクとして「王」であるかどうかは別問
題なんですよ、きっと。そ
んなことは、もうどうでもいい気がします。言った者(名乗った者)勝ちなんです。

最近のバイクは無味乾燥なアルファベットや数字の組み合わせだったり、カ
タカナや外国語が由来だったりします。俺の持っている3台は結局どれもこのパターンだったりします。最近?だと、せいぜい「カタナ」とか「ニンジャ」くら
いでしょうか。あ、いかん、「隼」がありました。それはともかく、バイクでも漢字の名前だって(かっこよければ)あってもいいですよね。

このバイクを落札した人がどういう人かはよくわかりませんが、この人にとっては安い買い物だったのかもしれません。バイクを入手したらガレージなどで、一人にんまりしながらいじったりするんでしょうか。